FOUNDERS

ある日、泣きながら「続けるのが大変だ」と言われたんです。

工藤 柊

工藤 柊代表取締役 / 海外展開責任者・共同創業

@kudoshu_vcook

高校3年でヴィーガンに。神戸大学在学中に休学し、2020年に株式会社ブイクックを創業。現在は海外展開を担当し、オランダで出店候補地を調査している。

高校3年生の秋でした。受験勉強をしていた頃です。帰り道に、何度も車に轢かれた猫が落ちているのを見ました。

それがきっかけで、動物のことを調べ始めました。当時調べたときは、日本では1日に約56,000頭の豚が屠殺されているとありました。保健所で殺処分される犬や猫の数とは、桁が違いました。

不条理は、人と人のあいだにだけあるものではない。人と動物のあいだにもある。そう思いました。そして17年間、消費者として自分もその生産に加担していた。

そこからヴィーガンを始めました。動物倫理の側面と、環境問題の側面の両方からです。

いちばん最初に取り組んだのは、自分が通っていた神戸大学に、ヴィーガンの学食を導入する活動でした。賛同してくれた方とチームを組んで、期間限定ではありますが、実際に導入するところまでいきました。

友人が、泣きながら言いました。

大学には、僕の影響でヴィーガンを始めてくれた友達が何人かいました。

ある日、泣きながら「続けるのが大変だ」と言われたんです。

それで、考え方が変わりました。ヴィーガンを始める人が増えても、環境が整っていなければ、途中で挫折してしまう。意思を持って始めた人がちゃんと続けられる環境をつくるほうが先だ、と。

「ヴィーガンの選択肢を増やす」ではなく、「ヴィーガンを続けるハードルを低くする」。そこに集中しようと決めて、起業しました。

では、何がハードルになっているのか。自分は何を解決するべきなのか。それを見つけるために、ヴィーガンを始めた人、続けている人、辞めた人に、直接話を聞こうと思いました。

日本全国を回るために、クラウドファンディングをしました。「Hello Vegan!な社会を共創する100人の仲間集めに全国各地を回りたい!」というプロジェクトで、121人の方から857,600円をいただきました。このとき応援してくださった方とは、いまでもつながっています。機会があるたびに、ずっと応援し続けてくださっている方が多いです。

その後、協同組合という形に憧れて、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティを立ち上げました。日本全国の100名近い当事者で構成した組織で、イベント事業やメディア事業など、いろいろなことに挑戦していました。そのなかで生まれたのが、いまのヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」です。

継続するには資金調達が必要になり、ブイクックの事業を引き継ぐ形で株式会社にしました。大学2年生、休学し始めた時期です。そこから2020年12月にVCなどから初めての資金調達を行い、スタートアップとしての道を歩み始めました。

一貫して、世界平和を目指しています。

高校3年でヴィーガン生活を始めて、大学生でヴィーガン事業を始めてから、もう10年近くが経ちます。

その間、僕のなかでは一貫して「世界平和」を目指しています。不条理な動物の犠牲がない世界は、どうやったら達成できるのか。そのことだけを考えて、実現できる事業をつくることに集中しています。